東京工業大学 科学技術創成研究院 スマート創薬研究ユニット キックオフシンポジウム

趣旨

東京工業大学では、新たな研究領域の創出、人類社会の問題解決、及び将来の産業基盤の育成を使命として、科学技術創成研究院を2016年度に設立致しました。この科学技術創成研究院に設置されたスマート創薬研究ユニットでは、現在、一つの薬を上市するまでにかかる3000億円もの費用を削減し10年にも及ぶ期間を短縮するために、バーチャル スクリーニングや機械学習、GPUを用いたスーパーコンピューティングというIT創薬と生化学実験を融合し、オープンな創薬プラットフォームの構築、また、オープン参加型のIT創薬コンテストやIT創薬の社会人人材養成を通じた、日本の産業競争力強化への貢献を目指しています。本シンポジウムでは、スマート創薬研究ユニットの取り組みを紹介するとともに、国立研究機関等から講演者を招き、IT創薬に関わる事例や大学に対するニーズなどの紹介をしていただきます。

概要

日時10/27(木)17:15~18:30 (17:00開場) ※13:30より関連イベント有(文末参照)
会場タワーホール船堀 4階研修室(東京都江戸川区船堀4-1-1)
参加費無料 ※13:30の関連イベントへの参加にはCBI学会2016年大会参加費が必要です

プログラム

17:15〜17:30開会挨拶 渡辺 治(東京工業大学 情報理工学院 学院長)
来賓挨拶 原 克彦(文部科学省 ライフサイエンス課長)
来賓挨拶 新階 央(経済産業省 生物化学産業課 産業分析研究官(バイオ))
17:30〜17:40「スマート創薬研究ユニット:スーパーコンピューティングとAI、生化学実験の相互補完を目指して」
関嶋 政和(東京工業大学 科学技術創成研究院 スマート創薬研究ユニット ユニットリーダー)
17:40〜18:00基調講演(1)
「インシリコ創薬への期待と課題」
本間 光貴
(理化学研究所 ライフサイエンス技術基盤研究センター 制御分子設計研究チーム長/
 東京工業大学 情報理工学院 特定准教授,科学技術創成研究院 スマート創薬研究ユニット構成員)
18:00〜18:20基調講演(2)
「インシリコ創薬の現状とスマート創薬研究ユニットへの期待」
広川 貴次
(産業技術総合研究所 創薬分子プロファイリング研究センター 分子シミュレーションチーム長 / 筑波大学 医学医療系 教授)
18:20〜18:30閉会挨拶
小長谷 明彦(東京工業大学 情報理工学院 教授,科学技術創成研究院 スマート創薬研究ユニット構成員 / CBI学会理事長)
18:30〜20:30スマート創薬研究ユニット (ACDD) / 並列生物情報処理イニシアティブ(IPAB) 合同交流会

※関連イベントのご案内

並列生物情報処理イニシアティブ(IPAB)第3回 IT創薬コンテスト:「コンピュータで薬のタネを創る3」

日時10/27(木)13:30~17:00 (13:10開場) (CBI学会2016年大会フォーカスドセッションFS-12)
会場タワーホール船堀 4階研修室(東京都江戸川区船堀4-1-1)
参加費CBI学会2016年大会参加費が必要です(詳細はこちらをご覧ください)

「薬を一つ創る」、このためには十数年に渡る期間と一千億円以上に及ぶ膨大な費用が必要であり、加えて近年はこの研究開発費がますます増加しています。そのため、創薬のための新しい技術が世界的に模索されており、こうした中で、コンピュータを利用した効率的な創薬方法(IT創薬)に高い関心が寄せられています。
非営利活動法人 並列生物情報処理イニシアティブ (IPAB) では IT創薬を広く浸透させること、IT創薬の裾野を広げることを目的として、創薬プロセスの上流であるヒット化合物(薬のタネ)の探索をテーマにコンテストを実施してきました[1,2]。
今回、あらたな蛋白質を標的に設定し、アッセイ手法も近年注目されているThermal Shift Assayを採用し、参加される皆様に実りの多いコンテストになるように企画しております。本セッションでは、前半でルール説明・各グループの手法の発表、後半で解析結果と受賞者の発表を行います。詳細はこちらをご覧ください。

参考文献

[1] Chiba et al., Identification of potential inhibitors based on compound proposal contest: Tyrosine-protein kinase Yes as a target, Scientific Reports 5, 17209 (2015)
[2] 関嶋 政和, 「オープンイノベーションによるIT創薬:コンテスト形式による薬剤候補化合物の探索」, 情報管理 58(12), 900-907 (2015)